堆肥化の基本。コンポスト基材のもみ殻くん炭、ピートモスの役割と代用品

多くのダンボールコンポストのマニュアル?には、基材としてもみ殻くん炭とピートモスを使うように書いてあります。

そもそもなぜもみ殻くん炭とピートモスなのでしょうか。

疑問に思い、自分なりに調べて考えてみました。今のところの見解を備忘録的にまとめておきます。

なお、わたしは趣味で家庭菜園をやってる(しかも枯らす…)レベルで農業知識は素人です。間違いやご指摘があればコメントいただけると幸いです。

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堆肥化に重要なもの

もみ殻とピートモスを考える前の前提として。

家庭のコンポストにはなんでもかんでも突っ込むわけですが、とりあえず堆肥としていい感じに仕上げるにはなにが重要なのかを。

炭素(C)

木とかワラとかに多く含まれる。窒素とのバランスによって微生物分解を進める。詳しくは窒素項目で。

窒素(N)

豚糞、鶏糞などに多い。炭素とのバランスによって分解のスピードや堆肥の出来にかかわる。

炭素率(C/N比)という、炭素/窒素の割合をあらわす定義があります。微生物は窒素炭素それぞれを消費しながら増え、分解していきます。

資材の中の窒素に対して炭素の割合が多くなると(炭素率が高いと)分解スピードは遅くなる。逆に炭素率が低いと分解は早く進みます。

すぐ土壌にすき込むなら、炭素率が高いと窒素飢餓を起こす(資材の窒素じゃ足りなくて土壌の窒素も取り込んじゃう)とか気にしたほうがいいんでしょうが…

コンポストならじっくり完熟させるのでそこまで気にしなくていいと思います。時間さえかければ分解は進んで炭素率も下がっていくはずなので。

水分

発酵にはある程度の水分が必要。
ベチャベチャにはならずカラカラでもない。水分が多すぎるよりはちょっと少ない程度が安心かも。

空気

微生物は空気が好きな好気性、嫌いな嫌気性がいる。
コンポスト内では好気性菌がはたらくほうが効率的かつ衛生的に堆肥化できる。なので時々撹拌して空気を取り込んだりする。

嫌気性菌でも発酵できるけど腐敗したり悪臭が出たりする可能性が高いのであんまりやる人は多くないみたいです。

温度

ある程度温かい環境のほうが発酵が進みやすいです。
発酵の過程で微生物の種類は交代していきます。最初は30℃前後が好きな中温菌、次に50~60℃が好きな高温菌など、好気性発酵で空気を取り込むと温度が上がっていく。

温度が60℃以上になれば有害な菌や種が熱処理され、使いやすい堆肥になります。

ph

phはアルカリ性のほうが発酵しやすくなる。
資材の分解が始まると、最初にちょっと酸性にかたむいたあと徐々にアルカリ性になっていきます(アンモニア、硝酸により)。発酵菌というのはアルカリ性の環境が好きなようで、phを上げてやると微生物がはたらきやすくなり、発酵スピードを早めることができるんです。


というわけで炭素・窒素・水分・空気・温度・phなどがコンポストに重要な役割をもっているのです。

で、コンポストの基本素材となっているもみ殻くん炭とピートモス。
きっといいはたらきをするんではないかと思うわけです。

もみ殻くん炭の成分

まずはもみ殻くん炭から。
川合肥料株式会社さんの分析結果を引用しております。

  • ケイ酸:51.55%
  • 石灰:0.14%
  • カリ:1.34%
  • 炭素:30.82%
  • マンガン:0.10%
  • 苦土:1.20%
  • 酸化鉄:1.95%
  • 鋼:2.61ppm

もみ殻くん炭の成分の半分はケイ酸、次に炭素。
ケイ酸と炭素をこんなに多く持ってるのはもみ殻くん炭の特徴のひとつですね。

ケイ酸は吸収されにくいけどじわじわ効いて植物を強くしてくれるらしい。カルシウムの吸収を良くする効果もあるとか。

そもそも炭化していて非常に分解されにくく(されない?)、肥料ではなく土壌改良材として使われる資材。炭素率も70以上と高いものの、分解が遅いので窒素飢餓の心配はない模様。

もみ殻くん炭の効果

phを上げてアルカリ性にする

ph8〜10のアルカリ性なので、分解する微生物のはたらきを助ける効果があると考えます。

適度な通気性を確保する

もみ殻くん炭は軽く、中がスカスカな炭。なので空気の入る隙間をつくり、好気性の微生物が活動しやすくなるのでしょう。

微生物のすみかになる

目に見えないレベルの穴がたくさんあり(多孔質)、そこに微生物が住みつきやすくなる。

抗菌・防臭

多孔質なので臭い・ガスを吸収して軽減させる効果があります。また、抗菌物質を出す菌が住みつくので腐敗を防いでくれると考えられます。

ピートモスの成分

次にピートモス。泥炭という数千年も堆積されたものみたい。

  • 水分:54.65%
  • 窒素:0.34%
  • リン酸:0.02%
  • カリ:0.01%
  • 有機炭素:22.82%
  • 炭素率:67.1
  • ph:3~4

栄養のない状態でずーーっと堆積されていたので肥料成分はほとんどなく、ほぼ繊維質(細胞壁)だけと考えて良さそうです。ミズゴケピートモスは分解スピードも遅い(らしい?)。

ピートモスの効果

微生物のすみかになる

ピートモスは微生物のすみかになり、繁殖しやすくなる効果がある。おそらくその繊維質に住みやすいのだろうと。

適度な通気性を確保する

繊維質の間に空気が入るので通気性が確保でき、好気性細菌がはたらきやすくなります。

団粒構造をつくりやすい

腐植酸が含まれている。腐植酸はミクロな世界で土をくっつける作用があるそうで、団粒構造の土をつくるのに重要なもの。

もみ殻くん炭とピートモスのはたらき

どちらにも共通しているのが微生物が住みやすい・通気性がいい・分解されづらい・炭素率が高いこと。
微生物が多く通気性がいいので発酵を進みやすくし、分解されづらいのでその状態を保てる。

もみ殻くん炭がピートモスで下がったphを調整し、抗菌防臭効果で取り扱いやすくしてくれます。

炭素率の高さは気にする必要はないでしょう。
そもそも分解されづらいのでゆっくり消費されるし、コンポストに多く入れる野菜くずは低炭素率(10くらい)。最終的にできた堆肥も10を切るレベルだとか。(参考:札幌市 生ごみ堆肥の特性について
もみ殻くん炭、ピートモスそれぞれが微生物を活性化させると考えられます。

ただ、もみ殻くん炭はそれ一つで微生物活性・ph調整・抗菌防臭とさまざまな効果が期待できるのに対してピートモスはそこまで…?といった感じ。

ピートモスの代用品は竹粉か

ピートモスの効果が微生物のすみか、通気性などにあるとしたら何かで代用可能なんじゃないかと思いました。

だってコケが何万年も堆積してできたものって…簡単に消費するにはなんだかもったいない。実際資源の保全のためということで、有機JAS認定では土壌改良材としては使わないように指定されています(育苗やぼかし肥の原料にするのはOK)。

調べてみるとコンポストに竹粉(パウダー)(静岡市 竹を活用して、生ごみの堆肥化にチャレンジしよう!)を使っている事例がありました。

竹を粉砕した粉で、多孔質かつ乳酸菌を含むことで竹粉だけでコンポストができる、みたいです。物質的な特性はもみ殻やピートモスのような通気性・微生物の繁殖しやすさ・防臭効果などが期待できます。

上のリンクにある静岡市の資料から成分を引用すると、

  • 水分:42.30%
  • 窒素:0.10%
  • リン酸:0.05%
  • カリ:0.10%
  • 炭素:28.00%
  • 炭素率:280
  • ph:5.4

弱酸性、炭素率280。炭素の量がとても多いのでそのまま土壌に入れると窒素飢餓が怖いかなぁと。
堆肥化したあとは炭素率16~30くらい、ph9~10くらいと随分なりたちが変わるようです。この程度なら十分堆肥として使えそう。

なお、乳酸菌は嫌気性なので空気を入れて発酵を進めるやり方では本領発揮はしてないはず。どう影響してるのでしょうね。乳酸菌を入れて密閉・発酵させる堆肥化方法もあるにはあるんですが(乳酸菌もみ殻ぼかしを屋外で作る方法)。発酵はほんとに奥が深い。

まとめ:もみ殻くん炭とピートモスは発酵を助ける能力が高い

できるだけ効率的に堆肥化させるのにもみ殻くん炭、ピートモスの組み合わせが良いということなんでしょう。

好気性発酵に必要な通気性・保水性があって、簡単には分解されつくさないから効果も長持ち。微生物も住みやすいしphも弱アルカリにして活動しやすくしてあげられる。
安価で手に入れやすいのも大きなメリットですね。

当たり前といえば当たり前の話なんですが、コンポストの仕組みから考えたことで納得して使えそうです。

なお、基材には発酵促進の役割があるわけですが、逆に時間さえかければ基材なしでも堆肥化できるはずです。庭園が根付いてるイギリスではいちいち材料揃えたりせずに植物の残渣や野菜くず、落ち葉などを積み重ねるだけのコンポストも行われているようですし。微生物と炭素窒素があれば…ということでしょうか。

やり方は様々ということですね。家庭菜園レベルなら肥効や成分の比率は深く考えすぎなくてもいいでしょうし、無理なく続けやすい方法を見つけるのがいいと思います。

参考

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